初めてのプレゼント1

別に、今まで、全く、プレゼントをもらったことがないわけではありません。
それなりに彼氏もいたし、クリスマスや、バレンタインのお返しとして、ホワイトデーに、それなりのものはもらったことはあります。
ただ、それは、マフラーだったり、ネックレスやピアスだったり、少し高くて指輪くらいでした。
それがプレゼントじゃないわけでもないのですが、びっくりするほどのものでもなかったのです。

それが。
派遣先の会社を辞めるとき。

ほとんどが電話でお世話になっていた建築関係の会社の社長さん。
会社を辞める日、今まで、お疲れさまでした、と小さな紙袋をくれたのです。

その会社には2年半、お世話になりました。
それほど長くいたのは初めて。
それまでは、必ず意地悪してくる女の人や、“高い派遣を雇っているのに・・・”と嫌味を言ってくる上司、そういった類のひとがいたりしたので、それなりに我慢されながら通っていることが多かったので、はじめて居心地の良い会社だったのです。

同じ部署にいた人は、寄せ書きをした色紙をくれたり、わたしのワイン好きを知っていて細長い紙袋にリボンの結んだワインが入っていたり。
経理の人たちは、お花の寄せかごをプレゼントしてくれたのです。
こんな扱いをしてもらったのは初めてで、ほんとうにうれしかったのです。

そんな中で、いただいた小さな紙袋。
なにが入っているんだろう、と気になりつつ他の部署の人にも挨拶を済ませ、会社を出たのです。

帰宅後、友人がお疲れ様会をしようと声をかけてくれたので、そのまま飲みにでかけました。
翌日、あわててお花に水あげたり、ワインを冷やしたり。
花かごは、それぞれ小さなプランターに入ったお花で、玄関、キッチンのテーブル、テレビの横、お花の色を考えながらそれぞれに配置。


そして、週末だったので、またそのまま出かけてしまい、紙袋の存在を忘れてしまっていたのです。